「復興を考える会」生徒の感想

12年目の「3.11」の前日,令和5年3月10日に,大震災津波発災時に沿岸部で勤務していた教職員の体験談を聞く「復興を考える会」を開催しました。発表者は,当時 山田中学校に勤務していた 高橋和代 先生と,宮古市教育委員会に勤務していた校長の佐藤智一。今でもあの時このとを言葉にすると,様々な感情が胸に湧き上がってきます。それでも我々には,あの時のことを語り継ぐ使命があると思い,生徒の前で地震が体験したことを語ってみました。すると生徒達は,真剣に当時の体験談を受け止め,「いきる・かかわる・そなえる」ことについて深く考えてくれました。以下に生徒達の感想を紹介します。

3年生の感想

  • 東日本大震災が起きたことでたくさんの人が亡くなり,たくさんの人が悲しんだことは,絶対忘れてはならないし,忘れることはないと思います。これを人に伝えていくことで,また起きる時に備えることができるし,これから生活していく中で,今自分たちは何ができるのかを考えることが大切だと思います。
  • 震災が起きて12年経ちますが,福島ではまだ放射線汚染の影響で故郷に帰れない人がいるので,1日も早く復興し,賑わう町になればと思います。
  • とても大きな被害があり,たくさんの人が悲しくつらい思いをしたことが分かった。それでもあたたかい言葉をかけてくれる方や援助してくれる方がたくさんいて,辛いことばかりでなく嬉しいこともたくさんあったからこそ,復興に向けて前向きに動いているのだと感じました。
  • 海の近くに住んでいた人はみんな同じようにものすごく辛い思いをしたことを聞いて,心が痛くなった。先生たちは自分の家族の安否が気になる中で生徒のことを第一に考えていたことは,本当にすごいと思いました。
  • 大災害が起きて避難所で生活せざるを得なくなった時,精神的に弱くなっていても,みんなで話をしたり協力したりすれば,なんとか悲しみに耐えることができるかもしれないと思いました。
  • 髙橋先生の顔の表情や話し方で,どれだけ悲しいか,苦しいかがよくわかりました。
  • 改めて,生きることへの日々の感謝や周りの人への気遣いを忘れずに,このことに向き合っていきたいと思いました。
  • 「生徒の親が亡くなる」という場面を想像して,とても辛くなりました。発災後,親ではない人が自分を迎えに来たら,全てを察してしまうと思います。先生の話を聞いて,涙が出てきました。私は,美しい海は好きだけど,人の命や大切なものを奪う海は嫌いです。このことを忘れず,次の世代の人にも伝えていきたいです。
  • どちらの先生も辛そうにお話しをされていて,とても心が苦しくなりました。和代先生の,避難所に届いたおにぎりを生徒と半分に分けて食べたお話が印象に残っています。今回のお話を胸に刻んで忘れないように,そして伝えていけるようにしたいです。
  • この時期テレビ放映される災害関係の番組で,警報や地震の音,人の声を聞いていると,だんだん怖くなってきて,見るのをやめてもしばらくは心臓がドキドキするのを感じました。実際に災害にあったらどれだけ怖い思いをするのか,想像ができません。
  • 髙橋先生がすごく辛い思いをしたことが,よく伝わりました。自分たちが当たり前のように卒業式が開催できることに,感謝したいと思います。
  • 震災当時,今の自分と同じくらいの人たちが周りのためにたくさん動いたことを知って驚いたし,本当にすごいなと思いました。自分もいざ何かあった時に,自分から動ける人になりたいと思いました。
  • 髙橋先生のように生徒たちを安心させたり,校長先生のように出来事を記録したりすることの大切さを知ることができました。
  • 次にまた地震や津波が起きた時に少しでも被害を小さくするために,「津波てんでんこ」をこれから生まれてくる人たちにも伝えたり,そんな時にどうするか家族と話し合っておいたりしたいなと思いました。
  • 震災がもたらした人々の悲しみ,苦しみを感じました。被災者の方々は今でも当時の苦しみを感じていることがわかりました。そして,これからの自分の生き方を考えることができました。僕は将来,辛い思いをしている方々を助けることができる人になりたいです。
  • 先生たちが子ども達に津波を見せないようにしていたこと,生徒のことを考えてたくさんのことをしていたことを知ることができました。津波てんでんこの紙芝居を描いた方の話を聞いて,明治や昭和の津波の経験から学んだことは今にもつながるんだなと思いました。
  • 南海トラフ地震で起きる津波は,最短で2分で来るそうです。避難訓練を大事に行い,日々の生活を大切に過ごしたいと思います。
  • 震災後に陸前高田に引っ越した時,町は少しずつ復興が始まっていました。その時僕は保育園児でしたが,いつも学童に最後まで残っていた園児は,震災で親を亡くしていました。小学校に入学した頃,同級生には校庭の中の仮設住宅に住んでいた子もいました。その子たちがどのような思いをし,何を感じていたか,毎年この時期が来る度に考えます。
  • 3月11日は,何年経っても忘れてはいけない日だと思いました。今年,無事に卒業式が行われることにも感謝の気持ちを持って臨みたいと思いました。
  • 当時の先生方が身を削って動くことができたことは,とてもすごいことだと思いました。津波が起きる仕組みを学んで,積極的に避難行動ができるようになりたいです。
  • 津波の被害だけではなく,それによって発生する様々な影響を知ることができて,大震災津波は自分が思う何倍も怖いものだったんだと,自分の認識の甘さを痛感しました。これからは「津波てんでんこ」の精神を後世に伝えていこうと思います。

2年生の感想

  • 実際に津波を体験したせいか,話す様子が辛そうでした。被災した時,一人じゃなくみんなで励まし合っていた中学生はすごいと思いました。
  • 津波が起こった時などに,先生が話していた生徒たちのように,冷静に判断して行動できるようになりたいと思いました。
  • 印象に残ったのは,紙芝居のお婆さんの話です。おばあさんは「田老に戻りたくない」と思っていたけど,田老の人たちに「あなたの紙芝居のおかげで助かった」という話がいいなと思いました。私もおばあさんみたいに,下の妹や弟たちに紙芝居を話してみたいと思いました。
  • 震災後にたくさんの人々が協力してきたから,今の復興があるんだと思いました。話を聞いた自分たちも,この話を受け継いで,少しでも復興をサポートできるよう協力していきたいです。
  • 辛いことがあったら,やっぱり周りの人の支えが大切だと思いました。また,自然は予想を簡単に超えてくると知って,ニュースやネットの情報だけを鵜呑みにしないでいきたいと思いました。
  • 自分は親や家族がいて幸せだなと思いました。身近にいる人ほど,いなくなった時の悲しみや寂しさは大きいと思います。
  • 私が今生きているのは,小さい私を自分の命に代えても守ろうとしてくれた家族がいたからなんだと思い,ありがたく感じたし,嬉しく思いました。後の世代に伝えるために,嫌なことを思い出してもやらなきゃいけないことを学びました。
  • 今日聞いた話が実際にあったことを思うと,とても心が痛みます。髙橋先生の「入学式には名前を呼んだのに,卒業式では呼べなかった」という音葉が一番印象に残っています。話す方も聞く方もとても辛い話でした。
  • 二人の話はすごくリアルで,とても悲しい気持ちになりました。
  • 当たり前に出来ていたことが出来なくなること,いて当然だと思っていた人が急にいなくなるということに,私は耐えられなくなると思います。それでも乗り越えて立ち直ってきた現地の人たちは,言葉に出来ないくらいすごいと思いました。私はこれから,全てのことに感謝して生活していきたいと思いました。
  • 被災された方々の悲しみは大きく,立ち直るにもすごく時間がかかったと思います。それでも多くの人に感謝しながら,悲しい気持ちをバネに頑張っていることをすごく尊敬するし,すごいことだと思いました。
  • 震災は,私が思っていた以上に大変な,悲しい出来事だったんだということがわかりました。語り継いでいきたいと思いました。
  • 過去は変えられないけど,これからの未来を大事にしていきたいと思いました。辛いことを忘れないでこれからを生きていきたいです。
  • いつ,何が起こるかわからないので,命を守るには,校長先生が言っていた「てんでんこ」が大事だし,日頃の備えをしていきたいと思いました。
  • 津波の恐怖を改めて知り,避難がとても重要だと学びました。津波が起きた後の避難所生活での,先生が生徒を気遣う気持ちを感じました。
  • 二人の先生が本当に辛い記憶を思い出して私たちに語ってくださったことに,感謝の気持ちでいっぱいです。震災体験があるからこそ,これからできることを考えていくことが出来るという陽時ティブ思考がすごいなと思いました。
  • 二人の先生の話を聞いて,泣きそうになる程すごく悲しくなりました。そして,悲しいこともあったけどみんながお互いに助け合うことの大切さを,改めて感じることが出来ました。私も,人が困っている時に助けられる人になりたいです。
  • 津波てんでんこのように,災害時は他の誰よりもまず自分の身を自分で守ることを覚えておきたいと思いました。
  • 二人の先生もとても不安で,家族のことも本当に心配だったと思います。でも,「周りの人のお陰で支えられた」と言っていたので,私も困っている人がいたら励まし応援して支えてあげたいと思いました。
  • 地震の発生は防ぐことはできないけれど,被害を抑えることは出来るので,やはり対策を考えることは重要だと感じました。また,「頑張って」というより「頑張りすぎないで」と言われた方が嬉しいと聞いたことがあります。沿岸お人たちは,頑張りすぎないで欲しいです。あの日のことを忘れずに,いつか来るかもしれない災害に備えていきたいと思います。
  • その時の状況や人々の動きなどを聞いて怖いと思ったし,声が震えていたので,その人にしかわからない悲しみがあったのではないかと思いました。私たちにはそれを伝えることは出来ないと思ったので,被災当時の記録映像や当時のことを語る人の映像を録画して子ども達に見せた方が,現実味があるのではないかと思いました。
  • このことをただ辛い出来事だったとして終わらせることなく,次に教訓としてつなげることが大切だということがわかりました。

1年生の感想

  • 実際に津波の現場にいた人は,目の前で家や人が津波に呑み込まれるのを見て,私が感じることのできない恐怖を体験したのだということを知りました。でも,被災地の中学生はそんな中でも積極的に動いていたことを聞き,私も自分から進んで動き,困っている人の助けになれる人になりたい,東日本大震災を語り継いでいきたいと思いました。
  • 当時の子ども達も辛かっただろうけど,先生達もとても辛かっただろうなと感じて,心が痛くなりました。こんな出来事はトラウマになったりするけど,県内外の人々の協力のお陰でここまで復興してきてすごいなと感じました。また,自分も日頃の備えをしていきたいと思いました。
  • 人はいざという時に,助け合い協力する子とが出来ると改めてわかりました。そして,日頃から真剣に避難訓練をして,もしも大きな地震が来たら冷静に行動していきたいです。
  • 震災を体験した人の話を初めて聞きました。本で読んだことはあったけど,先生の話を聞いた方がより身近に感じられ,災害の恐ろしさを学ぶことが出来ました。日々の訓練のお陰で助かった方がたくさんいたことを知り,避難訓練を大切にしたいと思いました。
  • 大切な命を守るため,防災グッズの準備,避難場所の確認,津波てんでんこを伝えることなど,出来ることをしっかりしていきたいし,1日1日を大切に過ごしていきたいです。
  • 今日は当時の様子がテレビなどを見るよりもよくわかりました。津波てんでんこや災害と向き合うことの大切さもわかりました。
  • 今回とても貴重な話を聞くことが出来てよかったです。改めて東日本大震災のことをいろいろと詳しく調べていきたいです。
  • いざという時には,すぐに決断して行動することが大事だと思いました。1回1回の避難訓練を大切にしていきたいです。
  • 被災者は家も流され着れるものも不自由な中で生活してきたことは,考えられないことでした。災害時に起こったことは,しっかり覚えておかなければならないと感じました。
  • 「津波てんでんこ」「という言葉を知り,津波から逃げる時はこの言葉を胸に,命を失うという悲しいことが起こらないようにしたいと思いました。
  • 当時人々がどれだけ大変で辛い思いをしたのかを,改めて学ぶことが出来ました。家族を亡くし心に深い傷を負った人も」たくさんいると思います。「いつまでも落ち込んでいられない。」そんな思いから一人一人が立ち上がり,協力し合い,助け合い,支え合いながら長い年月を過ごしてきたことを思うと,心にぐっときます。しっかり語り継いていきたいと思いました。
  • 僕は当時小さかったけれど,少し覚えていることがあります。避難した時,高校生が助けてくれました。避難訓練をふざけないでやりたいと思いました。3.11を忘れないようにします。
  • 3.11にふれる機会があって良かったと感じました。お話を聞いて,いつ津波などが起こったとしても,それに応じた行動を瞬時に行うことが大切であることがわかったからです。そのために私は,非常食や避難用具を揃えたりハザードマップを見たりして,日頃の備えもしっかりしておきたいと思いました。
  • 今日のお話は,とてもためになりました。もしも自分の大切な家族や家が急に無くなったら,抱えきれない悲しみで立ち直れないかもしれないと思います。かけがえのない日常を大切にしていこうと思いました。
  • やっぱり災害は怖いです。「私がその時そこにいたら何が出来たのだろう?」と考えました。小さい子のお世話や募金活動が思い浮かびました。そして,3.11のことをもっとよく知って,後世に伝えていきたいと思いました。
  • 「自分の命は自分で守る」という言葉を忘れないようにしたいです。また,どれだけ辛いことがあっても,それぞれで支え合い助け合うことが一番大切だと思いました。
  • 先生が子ども達に津波を見せないようにしたこと,津波で校舎が壊れた学校があったこと,亡くなって泥に埋まっているご遺体をどうすることもできない人がいたことなどを初めて知りました。震災についてもっと知っていこうと思いました。
  • 被災地では,配給などでも人々を勇気づけられることがわかりました。
  • 震災で育った街から避難して友だちと離れ離れになったことは知っていたけれど,他の町に行けない人たちはずっと避難所や仮設住宅に取り残されたことを知りました。被災者の心の傷はいつまでも癒えないし,っ日が経つにつれて弱っていく人がいることも辛いことだと思いました。
  • 津波は怖いことだけど,ちゃんと避難すれば大丈夫だということも,改めて学ぶことが出来ました。紫波町には津波は来ないけれど,同じようなことが起こった時は,私も被災した人のために出来ることを考え支援したいと思いました。
  • 目の前で思い出の場所が,家が流されて,壊されていって,大切な人を亡くした人のことを想像すると,私だったら海が怖くなってしまうと思いました。
  • この震災や,被災した方々の気持ちをもっと理解していきたいと思いました。
  • 先生が「津波が来ると焦ってしまう」という話を聞いて,避難訓練で落ち着いて行動しないと,いざとなった時に冷静に行動できなくなってしまうと思いました。これからの訓練では,「自分の命を自分で守る」という意識を持ちながら行動します。