祝卒業!3年生27名へのメッセージ

三年前の冬,コロナウイルスという新たな脅威が世界中を襲い学校生活が一変した年に,皆さんは中学校に入学してきました。春には緊急事態宣言が発令され,運動会と修学旅行は延期,県中総体も中止になりました。その当時、IPS細胞の研究でノーベル賞を受賞した山中伸弥さんは,次のような言葉を残しています。

「桜は来年も必ず帰ってきますが、人の命が奪われたら二度と帰って来ないのです。」

この言葉のとおり,一人ひとりの命を守るため、みんなでいろんなことに気をつけて過ごしてきた三年間であったと思います。それでも皆さんはめげずに顔を上げ,笑みを交わし,互いをいたわり励ます声を掛け合いながら,共に学び活動してきました。
春の生徒総会で「飛翔」というスローガンを掲げ,満開の桜の下で歌を歌い,初めて訪れる函館の街で和気藹々と修学旅行を楽しみ,運動会では勝っても負けても互いの健闘を讃え合っていました。三中祭は二年間合唱だけだけでしたが,今年は情熱的な学級合唱「This is me」の熱唱に加えて,「三中ステーション」という寸劇で楽しかった中学校生活の思い出を思う存分表現していました。思い切って自分をさらけ出し,それを受け止めてくれる学級の仲間たちの和や感謝の気持ちが伝わってきた舞台でした。
皆さんは勉学にも力を注ぎ,春のあずまネカフェや秋の六〇周年記念事業では,今を真剣に生きる先輩の生き方に触れ,これからの進路にも真剣に向き合うことが出来た一年でした。

みんなで大切に積み重ねてきた中学校生活の終わりを迎え,その胸に溢れんばかりの思い出を明日へと向かう力に変えられるよう,卒業生の皆さんに物理学者 アルベルト・アインシュタインの言葉を紹介します。

「私には特別な才能はない。ただ、情熱的に好奇心が旺盛なだけだ。昨日から学び、今日のために生き、明日に希望を持て。大切なのは、疑問を持つことをやめないことだ。」

明日への希望と夢に向かう情熱,あらゆる物事への好奇心。それを伝え合い,響き合い,高め合うことができる仲間。それさえあれば,自分の人生とその未来を切り拓いていくことができるのではないでしょうか。そしてそれは,やがて自分だけではなく他者や社会の幸せへとつながっていきます。その時々で出会う「ありがとう」の言葉は,皆さんの歩みを支えていくものになるでしょう。なぜなら,人は感謝の言葉を聞かされた時,自分も誰かの力になれることに気づくからです。そういう経験が人を育て,これからの社会を支えていくことになるのだと思います。
皆さんの人生はこれからも続きます。その目的は,次第に自分のためばかりでなく,家族のため,地域や社会のため,人類や地球のためと広がっていくでしょう。そんな皆さんがいつまでも元気にその命を輝かせ,私たちの未来の希望の光となってくれることを切に祈り,はなむけの言葉とします。

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卒業式にご参列いただきましたご来賓の皆様,保護者の皆様,そしてこの三年間,本校の教育活動にご理解,ご協力を賜りました全ての皆様に,改めて御礼申し上げます。どうもありがとうございました。